■ 抄録・要旨
| 廃棄物埋立地からのメタンガス(CH4)は、2006年IPCCガイドラインの改訂FOD法により排出量が算定されている。一方、実際に埋立地の地表面、ガス抜き管あるいは全体からのガス放出量も測定されている。しかし、浸出水中に溶存しているCH4が調査された事例は非常に少ない。
本研究では、埼玉県内46箇所の管理型最終処分場で浸出水46検体、放流水8検体、保有水4検体を採取し、電気伝導率、BOD及び溶存CH4を調査した。
浸出水中の溶存CH4濃度は、16検体が0.0005%未満、6検体が0.5〜1.5%、3検体が溶解度を超えていた。浸出水中の溶存CH4濃度はBOD値及び電気伝導率と無相関であったが、溶存CH4濃度が0.5%以上の9検体でBOD値と正の相関があった。また、放流水中の溶存CH4濃度は、全て0.0005%未満で、ばっ気処理による大気への揮散が考えられた。なお、保有水は浸出水より溶存CH4濃度が高い傾向にあり、浸出水による埋立層内の状況把握はできないと考えられた。
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